はじめに
― 60歳からの人生を、軽やかに生きるために ―
こんにちは。しげです。
私は、
2022年にaphasiaを発症し、右半身麻痺と失語症が残りました。
それまで当たり前だと思っていた、
- 両手でパソコンを打つこと
- すらすらと言葉を話すこと
- 疲れたら少し休めばまた動けること
そういった日常が、
ある日を境にガラッと変わってしまいました。
体が思うように動かず、
言葉もスムーズに出てこない日々の中で、
「これからの人生を、どう生きていけばいいんだろう」
と、自分のことを何度も問い直しました。
ちょうど人生の節目といわれる60歳。
この年代になると、多くの方が、
- 仕事をこの先どうするか
- 健康とどう向き合うか
- 今の家で暮らし続けるのか、引っ越すのか
- どこまで家族に頼り、どこから自分で頑張るのか
そんなことを、心のどこかで意識し始めるのではないでしょうか。
私自身、大きな病気を経験したことで、
「頑張り続ける人生」から「無理なく続けられる人生」へ
考え方が大きく変わりました。
若い頃は、
「もっと頑張ればなんとかなる」
「まだまだやれるはずだ」
と、アクセルを踏み続けていました。
でも60代に入ってからは、
「頑張ること」よりも「楽に生きる工夫」の方が大事だと感じるようになりました。
年齢を重ねるとともに、
生活スタイルや価値観は自然と変化していきます。
だからこそ60代以降は、
「足りないものをどんどん足す」よりも、
「不要なものを手放し、本当に必要なものを選ぶ」
ことが、何より大切になってきます。
この記事では、
シンプルで快適なシニアライフを送るために、
- 本当に必要なもの
- 手放してもよいもの
- 心と体が楽になる暮らし方
について、
私自身の経験も交えながら、
できるだけわかりやすく、丁寧にお伝えしていきます。
シンプルで快適なシニアライフに必要なもの
健康管理ツール
― 健康は「気づくこと」から始まる ―
シニアライフにおいて、
何よりも大切なのは 健康 です。
「そんなことは分かっているよ」と思われるかもしれませんが、
実際には、
- 「まだ大丈夫」と思って病院に行かなかったり
- 自分の体調の「いつもと違う」に鈍感になっていたり
することも多いものです。
私自身、脳梗塞を経験して痛感したのは、
「体調の変化に、どれだけ早く気づけるか」
ということでした。
しっかり食べているつもりでも、
しっかり休んでいるつもりでも、
体は、少しずつサインを出してくれています。
そのサインを見逃さないために役立つのが、
日々の健康管理ツールです。
血圧計・体温計
―「なんとなく不調」を数値で見える化する
定期的に血圧や体温を測ることで、
体の変化に早く気づくことができます。
特に、
- 高血圧
- 低血圧
- めまい・ふらつき
- 動悸
などが気になる方にとっては、
血圧計と体温計は、まさに「自宅の見張り番」 です。
たとえば、
- 朝・夜の決まった時間に測る
- 体調が悪いと感じた時にも測る
- 数値をカレンダーやノート、アプリにメモしておく
この3つを続けるだけでも、
「自分のいつもの数値」が分かるようになります。
病院に行くときも、
医師に数値を見せながら説明できるので、
診察の質も変わってきます。
歩数計・スマートウォッチ
― 「歩けた自分」を目に見える形で褒めてあげる
年齢を重ねると、
外出の回数や距離がどうしても減っていきます。
「今日はほとんど動いていないかも…」
そんな日が続くと、
気持ちまで沈んでしまうこともあります。
歩数計やスマートウォッチを使えば、
- 今日は何歩歩いたか
- どれくらいの距離を動いたか
- 心拍数がどう変化しているか
が一目で分かります。
ここで大切なのは、
「人と比べない」こと。
- 昨日の自分よりちょっと多く歩けた
- 先週より外出した日が増えた
そんな小さな変化を、
画面を見ながら「お、いいじゃん」と
自分で自分を褒めてあげられるようになります。
健康管理アプリ
― 記録が「安心」に変わる
スマートフォンと連携することで、
- 体重
- 血圧
- 心拍数
- 睡眠時間
などをまとめて管理できます。
「数字は苦手」「スマホはちょっと…」という方も、
最近のアプリは、
- ボタンが大きく
- 文字が見やすく
- グラフもシンプル
になっているものが多いので、
意外とすぐ慣れてしまう方も多いです。
毎日きっちり入力しなくても大丈夫。
「思い出した時にざっくり記録する」くらいでも十分です。
快適な住環境
― 家は「体と心を守る場所」 ―
住環境は、
心と体の健康に直接影響します。
私自身、右半身麻痺が残ったことで、
「家の中の段差」や「滑りやすい場所」が、
一気に怖くなりました。
それまで気にしていなかった、
- 浴室の入り口の小さな段差
- 階段の途中に置いた物
- マットのめくれ
こうしたものが、
転倒やケガのきっかけになることもあります。
バリアフリー設計
― 「まだ大丈夫」のうちに整える
バリアフリーというと、
「大掛かりなリフォーム」をイメージしがちですが、
実は小さな工夫からでも始められます。
- よく歩く動線上の「床の段差」を減らす
- 階段やトイレ、浴室に手すりをつける
- 滑りやすいマットやラグを見直す
これだけでも、
毎日の安心感が違います。
ポイントは、「転ばない仕組み」を作ること。
転んでから治療やリハビリをするより、
転ばないように準備しておく方が、
身体的にも、経済的にも負担はずっと軽くなります。
自然光と通風
― 光と風が「気持ちの薬」になる
明るく、風通しのよい空間は、
それだけで気持ちを前向きにしてくれます。
- 朝になったらカーテンを開ける
- 窓を少し開けて、空気を入れ替える
- 植物を1つ置いてみる
こうした小さな習慣が、
「なんとなく気分が重い日」を
軽くしてくれることもあります。
特に、病気やけがで外出が減った時こそ、
**「家の中にいながら光と風を感じる工夫」**が大事です。
適切な収納
― 物が減ると、心のノイズも減る
物が多いと、
視界に入る情報が増えます。
「片づけなきゃな…」と思いながら過ごす時間は、
知らず知らずのうちに、
心のエネルギーを消耗させていきます。
- よく使うものは「手を伸ばせば届く場所」に
- 思い出の品は「見ると嬉しくなるもの」だけ残す
- 何年も触っていないものは、「なくても困らない」もの
と考えてみると、
不思議なくらい手放しやすくなります。
趣味や活動の道具
― 「役割」ではなく「楽しみ」を持つ ―
現役で働いていた頃は、
- 会社での役割
- 家族のための役割
に追われて、
自分のための時間は後回しになりがちです。
リタイア後は、
「役割」から少しずつ自由になり、
「楽しみ」を取り戻していく時間でもあります。
ガーデニング用品
― 小さな土いじりが心をほぐす
庭がなくても、
ベランダや窓辺のプランターから始められます。
- 季節の花を植える
- ハーブを育てて料理に使う
- 小さな多肉植物を並べる
土の感触に触れ、
芽が出て、花が咲き、枯れていく。
そのサイクルを見守る時間は、
心を静かに落ち着かせてくれます。
アート・クラフトの道具
― 「うまい・下手」より「楽しい・落ち着く」
- 絵を描く
- 折り紙を折る
- 編み物やパッチワークをする
- 写真を撮ってアルバムを作る
こうした作業は、
手と頭を同時に使うため、
脳の活性化にも役立つと言われています。
完成度を求める必要はありません。
**「自分なりに夢中になれる時間」**があることが、
心の支えになります。
楽器
― 音の振動が体と心を揺らしてくれる
ピアノやギター、ウクレレ、ハーモニカ。
どんな楽器でも構いません。
- 好きな曲を一曲だけ弾けるようになる
- 孫と一緒に「おもちゃ楽器」を楽しむ
- 昔やっていた楽器をもう一度触ってみる
音楽は、
言葉の届かないところにまで届きます。
コミュニケーションツール
― 人とのつながりは、最高の健康法 ―
病気を経験して一番心細かったのは、
「わかってくれる人が近くにいない」と感じたときでした。
そんなとき、
スマートフォンを通じて、
- 遠くに住む家族からのメッセージ
- 同じ病気を経験した人の発信
- 励ましの言葉
に何度も救われました。
スマートフォン・タブレット
― 「難しそう」は最初だけ
今では、
- ビデオ通話
- 写真や動画の共有
- メッセージのやり取り
が、とても簡単にできるようになりました。
操作が不安な方は、
- ボタンが大きい「シニア向けスマホ」
- 画面が見やすいタブレット
から始めるのもおすすめです。
SNS・メッセージアプリ
― 毎日じゃなくていい、「ときどき」でいい
LINEやFacebook、X(旧Twitter)などを使えば、
- 友人や家族の近況がわかる
- 自分の近況も、短いひと言で伝えられる
- ちょっとした悩みも相談しやすくなる
といったメリットがあります。
毎日投稿する必要はありません。
「見ているだけ」「読むだけ」でも立派な参加です。
オンラインコミュニティ
― 趣味でつながる「ゆるい仲間」
インターネット上には、
- ガーデニング好きの集まり
- 写真好きのサークル
- 病気や障害を持つ人同士のコミュニティ
など、さまざまなオンラインサークルがあります。
「リアルでは出会えない人」と
つながれるのも、オンラインならではの良さです。
手放しても良いもの
― 「減らす」ことで、人生は軽くなる ―
シンプルな暮らしというと、
「何も持たない生活」を想像してしまうかもしれません。
でも大事なのは、
「何を手放すか」よりも「何を残すか」。
ここでは、
60代から見直したい「手放してもいいもの」を
具体的に見ていきます。
不要な家具・家電
使っていない家具
― 「いつか使うかも」は、ほとんど来ない
- 来客用の大きなソファ
- ほとんど座ることのない椅子
- 物置と化した飾り棚
こうした家具は、
場所を取るだけでなく、
掃除の手間も生み出します。
「ここが空いたら、どんな動きが楽になるかな?」
と想像しながら見直すと、
手放す決心がつきやすくなります。
古い家電
― 「壊れていないから」だけで残さない
- ずっと使っていないマッサージ機
- 出番のない大きな炊飯器
- 年代物のオーディオやビデオデッキ
使っていない家電は、
**「置いているだけで疲れる存在」**になりがちです。
新しい家電に買い替えることで、
電気代が安くなったり、
お手入れが楽になったりすることも多いです。
着なくなった衣類
クローゼットの中を見てみると、
- 「いつか痩せたら着よう」と残している服
- もらったけれど好みではない服
- 高かったから捨てられない服
が並んでいることがあります。
季節ごとの整理
― 「この一年で袖を通したか?」が目安
シンプルな判断基準は、
**「この一年で一度でも着たかどうか」**です。
- 一度も着ていない → 手放す候補
- 迷うもの → 目に見える場所に出して「今シーズン着なければ手放す」と決める
リサイクル・寄付
― 「もったいない」を「誰かの役に立つ」に変える
まだ着られる服は、
- リサイクルショップに持ち込む
- チャリティ団体に寄付する
- 知人や家族に譲る
ことで、第二の人生を送らせてあげることができます。
未使用の趣味道具
過去の自分が夢中になった趣味も、
今の自分には合わないことがあります。
- 昔やっていたテニスのラケット
- 何年も触っていない高級ギター
- 材料だけ集めて手を付けていない手芸キット
これらを見るたびに、
「やらなきゃ」「やれていない」と
小さな罪悪感が積もっていくこともあります。
もう一度やりたいのか?
それとも「思い出として心にあれば十分」なのか?
自分に問いかけてみると、
答えが見えてきます。
書類・古い写真
― 思い出は「心」に残せばいい ―
紙の書類やアルバムは、
知らないうちに増えていきます。
重要書類のデジタル化
- 保険証書
- 契約書
- 年金や税金の書類
などは、
スキャンしてデジタル保存しておくと安心です。
- 紛失リスクが減る
- 必要なときにすぐ探せる
- 家族と共有しやすい
といったメリットがあります。
写真のデジタル化
昔の写真アルバムも、
スマホで撮影したり、
スキャンアプリを使ったりすれば、
簡単にデジタル化できます。
- かさばらない
- 色あせや劣化の心配が減る
- 離れた家族とも共有できる
など、良いことがたくさんあります。
シンプルライフの実践方法
ミニマリスト思考を取り入れる
― 「我慢」ではなく「選ぶ」こと
「ミニマリスト」と聞くと、
何も持たないストイックな暮らしを
想像してしまうかもしれません。
でも大切なのは、
**「減らすためのミニマリスト」ではなく
「自分を楽にするためのミニマリスト」**です。
優先順位の明確化
― 体と心の両方にとって必要か?
物を見直すときの基準は、
たとえば次の3つです。
- これは「体」にとって必要か?(健康・安全)
- これは「心」にとって必要か?(楽しみ・安心感)
- これは「今の自分の暮らし方」に合っているか?
この3つのどれにも当てはまらない物は、
手放す候補になってきます。
購入時の基準設定
― 「増やさない工夫」も同時に
手放すだけでなく、
**「増やさない工夫」**も大事です。
- 何かを買うときは「これを買うなら、何を手放すか?」もセットで考える
- 「セールだから」「安いから」では買わない
- 一度欲しいと思った物も、一晩寝かせてから検討する
それだけで、
入ってくる物がぐっと減り、
今ある物との付き合い方も変わってきます。
定期的な見直し習慣
― 「一気に」ではなく「少しずつ」
物は、
気づかないうちに増えていきます。
だからこそ、
「一度だけ頑張って片づける」のではなく
「少しずつ見直す習慣」を持つことが大切です。
季節ごとの見直し
- 季節の変わり目に、衣類や寝具をチェック
- その季節に一度も使わなかったものには印を付けておく
- 来年も同じように使わなかったら、手放す候補にする
こうした“ゆるいルール”でも、
数年たつと家の中がかなりスッキリしてきます。
イベントごとの整理
- 引っ越し
- 大掃除
- 家族が遊びに来る前
こうしたタイミングは、
一度にたくさんの物を見直すチャンスです。
収納方法の工夫
― 「探す時間」を減らすのがゴール
収納の目的は、
**「物を詰め込むこと」ではなく
「探さなくて済むようにすること」**です。
- ラベル付け
- 色分け
- よく使うものほど「しゃがまず・背伸びせず取れる場所」に置く
これだけで、
日常の「イライラ時間」が
かなり減っていきます。
まとめ
― 60代からは「自分を楽にする人生」へ ―
65歳以降のシニアライフは、
自分らしく、心地よく過ごすための工夫が何より大切です。
- 健康管理ツールで「体の声」に気づきやすくする
- 住環境を整えて「転ばない仕組み」を作る
- 趣味や仲間との時間で「心の栄養」を補う
- 不要な物を手放して「自分を楽にする空間」を作る
こうした一つ一つの行動が、
これからの10年・20年を
穏やかで、安心できるものに変えていきます。
このプロセスは、
決して難しいものではありません。
少しずつ、
自分自身のペースで。
私自身、病気を経験したからこそ、
「頑張りすぎない暮らし」の大切さを
身をもって感じています。
この記事が、
あなたのこれからの毎日を
少しでも軽やかにする
きっかけになれば嬉しいです。
